前回の「カバーレターは必要か」では頂いたコメントから、カバーレターはデフォルトで書いた方が良いという見解が得られた。
そしてカバーレターを意図的に書かない場合がある僕はただの怠慢○タ野郎なのではないかという疑念が浮上したが
恐らくいい意味でのやつだと思う。
一応続編として、今回はカバーレターの書き方。
これはスタイルの違いがあると思うので書き方というよりは僕はこうしています、という程度のもの。というかこのブログが全てそうなのでその前提でお読みいただきたい。
僕が思うカバーレターのポイントとしては
- 手短に
- 論文の見せ所にできるだけ早く到達
- アブストには書きにくいニュアンス(凄さ)をアピール
- 結びは無難に
レビュアーのサジェストに関しては書かれている方もおられる様だし僕の前のPIもカバーに書く人はいたが今のボスは敢えて書かないようにしている印象。分野にもよると思う。
大まかな構成に関してはほとんど下の図で完結していると思う。

趣旨としては、アブストを更に煮詰めてエディターを口説くために再構築したのがカバーレターという感じではないか。
1st paragraph
論文のタイトルとジャーナル名。
2nd paragraph
エディターが簡単に読めてインパクトが伝わるものにするのが目的だと思うのでとにかく簡潔に。そしてかなり早い段階で(図では2パラグラフ目)にConclusion(見せ所)を書く。
そしてその直前にくるBackground的な情報は、Conclusionの文を引き立たせるための情報のみをその目的のためだけに書く。
3rd paragraph
メソッドと結果のまとめが一番さじ加減が難しいと思うのだが、これは斬新な解析手法やレアデータを使っている場合はここが売り場だと思う。
逆にアプローチに目新しさがない場合はサラッと書いて結果に重点を置くと良いと思う。
4th paragraph
Significanceのパラグラフでは何故アクセプトするべきか、という口説き文句を書くのだがこれが恐らく最重要で、上手く使えば論文内やアブストには書きにくい情報を伝えるプラットフォームとして使えることもあるのでは。
例えば、現在の慣習にはこんな酷い欠陥がある、のような割とセンシティブな内容は論文内では回りくどい言い方をしなければいけないことがあると思うのだが、
カバーレター内では、節度を弁えていれば直球でいける気がする。なのでインパクトが伝わりやすい文が書きやすいと思う。
Final paragraph
最後に結びのフレーズなのだが、
We look forward to your favorable decision.
(良いお返事をお待ちしております)
と書くPI何人かと働いたのちに今のPIと初めてのカバーレターでこのフレーズを書いたら全て書き換えられた。
何故かは言ってもらえなかったし聞かなかったが、まぁエディターの立場を想像してみると
「本当ならリジェクトだけど、良い返事を待ってるのならアクセプトだよね」
とはなるはずもなく、あまり意味のない言い回しということにならないだろうか。
だし何やら上からな印象になる感じがしなくもない。
いくら大雑把アメリカとは言え、微妙なニュアンスが大事な場面はある気がする。
なので最近は無難なところで
“We appreciate your consideration of our manuscript.”
等で結ぶようにしている。
まとめ
論文の内容が複雑であればあるほどそれを簡潔なメッセージに落とし込んだカバーレターは芸術。
前回の記事:カバーレターは必要か
One thought on “カバーレターの書き方”