Reviewer response letter の書き方 Part2:理不尽コメント編

前回のPart 1 に数点捕捉したい。

Part 1 ではうわべのテクニックで査読をしのげる、という語弊があったかもしれないが、基本的にコメントを取り入れることで論文は向上すると思う。

ただ理不尽なコメントや的外れなコメントが付いて返答に困ることもある。

僕の経験から理不尽なコメントをタイプ分けしてみた。ちょっと査読者の悪口みたいになってしまうのはご了承いただきたい。

1. 大した理由もなく他の結果をみたがる

論文に建設的な興味を持ってくれて、この関連性もみたらおもしろいよね!という様なコメントをつけてくれる人は、度合いや言い方は違えども結構多いと思う。

本当に論文の主旨に沿っていて論文を深めることを見据えての追加解析なのか、ただ単に興味本位で言ってみただけのものなのかを区別することは重要ではないだろうか。

コメントが論文の主旨に沿っていたらもちろん追加解析したら良い。

しかし、おもしろそうだが主旨から外れていたり、特におもしろくなかったり、追加解析・データ集めに理不尽に手間がかかりすぎる場合は:

“We thank you for the reviewer’s interesting and constructive comment. While this is a very interesting suggestion, it may be best pursued in a separate manuscript to address the importance of the problem in full extent.”

という感じで、興味深くて掘り下げた方が良さそうなので他のペーパーでやります!という旨のレスポンスが使えたりする。ただ次のラウンドでも追求された場合は腹を括ってちゃんと対処しなければいけないかもしれない。

エディターが吟味した後に残ったコメントである可能性は常にあるので、そのジャーナルやエディターの慣習が分からない場合は躱すかどうかのさじ加減が難しい。

例えば以前、査読者とのやり取りの際に、対処した方が良いか判らない査読コメントがあったので「エディターの指示を仰ぎます」という返答をしたらエディターから「対処するべきだと思ったのでわざわざ残したコメントなので一回でちゃんと対処してください」というお叱りを受けたことがあった。

また、サブグループ解析メインの論文で、査読者2人+エディター全員からの「全体コホートの解析もやってくれ」というコメントから何を思ったのか逃げ切ろうとした結果、かなりランクの下がる姉妹紙に飛ばされてしまった経験がある。

更に辛いのが、結局次のラウンドで全体コホートの解析をやらざるを得なくなったにもかかわらず姉妹誌から親元のジャーナルには戻してもらえなかった。これはかなり悪手。

常識的に考えて当然だが上記の様にエディター含め複数のレビュアーが被っているコメントは絶対に真摯に対応した方がいい。

2. レビュアー同士のコメントが相反している

これはレビュアーが増えるほど多いケースだと思うが、例えばレビュアー1が解析Aをもっと掘り下げるべきだと言っているのに対して、レビュアー2は解析Aはいらない、と言っている様な場合。

こういうケースはどっちを選んでも正解なので、ラッキーだと思う。

レビュアー1のコメントを選ぶ場合はレビュアー2に対して:

”While this is an interesting point, Reviewer 1’s comment suggested that this analysis was indeed valuable to this study. Therefore, we pursued Reviewer 1’s suggestion to refine this analysis.”

という感じだろうか。

そしてこの様に二人の間で方向が真逆なケースは、レビュアーのレベルが段違いだと思うのでそこを見分けてレベルの高そうな方のコメント(大抵論文を良くする方のコメント)を尊重する、というアプローチで良いのではないだろうか。

3. 単なる悪口

エディターに文句を言いましょう。

論文の内容を嘲笑う、または貶す様なコメントをつける査読者に対しはコレスポンディングからエディターに対して連絡してもらうのが良い。

匿名性を盾に酷いコメントをつける査読者は結構いると思う。どんなに破綻しているスタディーに対しても査読コメントは建設的であるべきで、誹謗中傷は再犯を防ぐためにもエディターに知らせて除外、もしくは厳重注意されるべき。

4. 先入観が強すぎる

効果比較の論文の査読でつきやすいタイプのコメントだと思うのだが、査読者に明らかにバイアスがある場合。

利益相反とまではいかなくても、手法AがBより優れているという強い先入観に基づいた批判やコメントは対処しづらい。

本来は論文をフェアに評価できない場合は査読者として辞退しなければいけないはずなのだが、それはフェアな査読者にのみ通じる理屈なので逆にアンフェアな査読者を選抜してしまうシステムの様な気がする。

もしあからさまなコメントをつけてきた場合はエディターに取り合ってもらったら良いと思うのだが、重箱の隅をつつきまくる様な「正攻法」でくる査読者に対してはひたすら対処する以外には方法がない気がする。

また、客観的ではない評価やコメントに対しては

“Thank you for sharing this opinion.”

の様な入りを使って、このコメントは査読者の「意見」であって客観的な評価ではない点を強調する返答もアリかと。

まとめ

論文を書き続ける上で理不尽な査読コメントは避けて通れない道。

対処法は正直あったりなかったり。

理不尽な査読者にあたってどうにもならない場合でも最悪リジェクトで次のジャーナルでやり直せばいいので、割り切りは大切だと思う。

僕は最初の頃は理不尽な(だと思った)コメント付きの不採択通知が来るたびにかなり落ち込んだし、モチベーションを下げる悪質なコメントにも苦しんだので、良くも悪くもその様なコメントは避けて通れない道ではないかということを書きたかった。

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